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2026.6.19(Fri) | 日々の記録

甘くない一杯

篠原 理奈

※このお話は【しのはらりな】の気持ちを描いたフィクションです。

ある町に、小さな珈琲店がありました。

そこでは毎日たくさんのお客様が訪れ、店員たちは決められたルールの中で働いていました。

ある日、一人のお客様が言いました。

「甘いのが苦手なんです」

店員は二つの飲み物を見比べました。

一つは、甘さを減らそうとすると、その飲み物らしさまで少し失われてしまうもの。

もう一つは、甘さを抜いても、その飲み物の良さが残るもの。

店員は考えました。

どうすれば、この人にとって一番おいしい一杯になるだろう。

店員は後から知りました。

その提案は、店のルールの真ん中ではなく、少し端の方にあったことを。

だから注意を受けました。

店員は反省しました。

ルールを守ることの大切さも理解していました。

でも、心のどこかに小さな棘が残りました。

私が考えたことは間違いだったのだろうか。

お客様の言葉を聞き、

悩み、

選んだ時間には、

意味がなかったのだろうか。

それとも、

答えのない問いに向き合った時間だったのだろうか。

大人しくしていた方が居心地はいい。

決められたことだけをやっていれば、

誰にも何も言われず、きっともっと楽だ。

それでも私は、今日も目の前の人の言葉を聞いてしまう。

目の前の人のために考えることをやめたら、

私は何のために接客をしているのだろう。

だから今日も、

一杯の珈琲の向こう側を考えています。

だって、それが私だから。

仕事も子育ても地域活性も、正解は一つではありません。

様々な意見を交わし、

考え、

時には立ち止まり、

また歩き出す。

そうやって時代や目の前の人に合った形を、

みんなでつくっていくのだと思います。

私もまだその途中です。

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